今日は「アトピー性皮膚炎ってそもそもどんな病気?」ということを、総説論文を読むことで確認していきましょう!
https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMra2023911
アトピー性皮膚炎の特徴
アトピー性皮膚炎は慢性・難治性の炎症性皮膚疾患で、再発する局所的なかゆみを伴った湿疹を伴う。
有病率・発症率は過去数十年で増加傾向にあり、小児で15-20%、成人で10%の人が発症しているとされる。
症状は年齢や疾患のステージ、人種や地理的な位置によって異なる。例えば、小児の場合は頭・顔・頬・腕・手足・胴体といった身体全体に広がる傾向があるが、年齢が上がるにつれて膝の裏や手、下腿や足・首・手の周囲などに限定される傾向にある。
強い「かゆみ」がこの疾患の大きな特徴であり、患者の生活の質(QOL)を低下させる。
アトピー性皮膚炎の診断
かゆみ、②特徴的な湿疹と分布、③慢性・反復性の経過を基に診断される。患者の多くは「アトピー素因」をもつ。
アトピー素因とは・・・家族歴・既往歴(気管支喘息・アレルギー性鼻炎・結膜炎・アトピー性皮膚炎)またはIgE抗体を産生しやすい素因のこと。
重症度の評価にはEASIやSCORADというスコアで評価され、軽症(軽度の皮疹)〜最重症(強い炎症を伴う皮疹が全身の30%以上)で重症度が判定される。
「アトピーマーチ」
合併症としてアレルギー性疾患(食物アレルギー・アレルギー性鼻炎・鼻結膜炎・喘息)の逐次的な発症がしばしばみられ、「アトピーマーチ」と呼ばれる。
次回はアトピー性皮膚炎の病理と治療について解説していきます!
コメント・ご質問等あれば、コメ欄やX(@miro_bipolar)でお気軽にどうぞ。